2012
何世紀も昔にマヤ人たちが残したマヤ暦。
その暦に明確な最終日があることから、我々はさまざまな示唆を受けてきた。それ以来、2012年に地球で起きるすさまじい規模の天変地異について、占星術師は星の中にその兆候を発見し、数秘術師たちはそれを予測するパターンを見つけ、地質学者はそれがもういつ起きてもおかしくないと言い、政府関係の科学者たちですらそれに言及してきた。それを否定できる者はいない。古代マヤ人から始まったこの予言については、これまでにさまざまな形で記録され、議論され、分析され、検討されてきた。2012年、我々は知ることになる。警告は発せられていた。
『ストーリー』
ジャクソン・カーティス(ジョン・キューザック)は、「面白いが売れない」小説の執筆に没頭するあまり、家庭を崩壊させてしまった作家。元妻ケイト(アマンダ・ピート)は、彼に仕事よりも家族を優先させようとすることは、とっくの昔にあきらめて離婚したが、今でも友好的な関係を保っている。久々の娘と息子との旅行を楽しむジャクソン。そんなとき、地殻変動が起き始め、ロサンゼルスが壊滅する。一度はバラバラになったかのように見えた家族4人だが、この惨事に見舞われ、彼は家族を守るためどんなことでもする献身的かつ勇気ある父親として、家族の生き残りを賭けて必死の旅を続ける。旅の果ての希望を信じて・・・。
一方、各国政府の最上層部は世界が直面しようとしている危機を予知しながらも、集団ヒステリーを阻止するため、その情報を秘匿する。トーマス・ウィルソン大統領(ダニー・グローヴァー)もその一人だ。一方、地球が発するメッセージを解読した科学技術政策局の次席地としても、一部の人間たちを救うことはできる。大統領首席補佐官カール・アンハイザー(オリヴァー・プラット)も、尊大で短気な人間ではあるが、なんとか社会を存続させたいと願っている。
大統領の娘ローラ(タンディ・ニュートン)は、父親が世界中の人々から隠している事実を知りショックを受ける。確かに、政府関係者以外で、どんなことが起きようとしているのか感づいている人間は、ラジオを通じて自分の予測を伝えようとするラジオ番組の司会者-そしてもしかしたら予言者かもしれない-チャーリー・フロスト(ウディ・ハレルソン)だけのようである。
『解説』
『2012』の構想を最初に思いついたのは、監督ローランド・エメリッヒの脚本パートナーである、脚本家/プロデューサー/作曲家のハラルド・クローサーだった。彼はこう言う。「地球上のどの文明にも、世界滅亡に関する伝説が必ずある。『インデペンデンス・デイ』、『デイ・アフター・トゥモロー』といった大ヒット作で知られるエメリッヒ監督にとっては、いかにして『2012』を、他のパニック大作と一線を画す作品にするか、ということが重要な鍵となった。「ハラルドと話し合ううちに、天変地異という要素に加え、哲学的要素や政治的要素もたくさん盛り込んで、これこそ現代人たちが共感できるストーリーだという思いを強くした」さらにセットで不可能なシーンはすべてコンピュータ・アニメーターたちが作った。マグニチュード10.5の地震でロサンゼルスが壊滅する。イエローストーン国立公園は、噴火によって流れ出した幅30マイルもの溶岩に飲み込まれる。「しかもすべてのシーンに何かしら新しいものや他とは違ったものをもたらしている。『地震の映画は前にも見たことがあるよ』と思うかもしれないけれど、それは違う。どのシーンも野心的でスケールが大きい。ローランドがパニック映画の達人たる所以だ」と語るのは共同製作であり視覚効果スーパーバイザーのマーク・ワイガートだ。『2012』は『インデペンデンス・デイ』、『デイ・アフター・トゥモロー』のローランド・エメリッヒ監督が、新たなアプローチと構想で巨額の制作費を投じて描く、間違いなくかつてないディザスター超大作である。