GACKT

オンタマ独占インタビュー!!!
 
―前作に続いて仮面ライダーとのタッグを組む事になりましたが、その経緯を教えて頂けますか?
G「制作サイドの熱意がすごく大きかったというのが一番の理由かな。最初オフアーが来た時に一度断ったんだよね、別に僕じゃなくても良いと思ったし。“あえて”僕がやらなきゃいけない理由がみつからなかったから。そうしたらプロデューサーや制作スタッフが直接僕のところに話しにきてさ。僕のソロ活動もちょうど10年、仮面ライダーも10年で一緒に良いものを作って、最高のコラボで10周年を迎えたいって言われたんだよね。他のミュージシャンではなく僕しか考えてない、是非お願いしたいって。彼らの熱い心にうたれたよね。あとは正大(主演の井上正大)との関係ありきっていうのがあるかな。彼とはプライベートでも遊ぶような仲なんだけど、兄貴と弟みたいな関係なんだよね。中途半端な事が嫌いで本当に真っすぐなやつなんだけど、なんとかこのチャンスを生かして欲しいなって思って。この業界で頑張っていって欲しいんだよね。彼にとって今回の仮面ライダーの主役というのはとても大きなチャンスだと思うんだけど、僕が役者として出演して、主題歌を歌う事で、さらに後押し出来るかなと思って。正大にはこのチャンスをキッカケに大きくなって欲しいんだよね。」
 
 
―“気持ち”が非常に重要なんですね。
G「気持ちがなかったらやらないよね。そういう意味で正大がいるからっていうのが本当に大きいよね。それに映画のストーリーの関係性と実際の関係が似ているんだよ。
僕が演じてる「結城丈二」という役と彼が演じてる「門矢士」は仮面ライダーの先輩後輩に近い関係で、僕がプライベートでも言ってるような事も結城丈二が言ってたりするし、すごく役に入り込みやすかったんだよね。
 
 
―主題歌「Decade Through The Jourrney」はどのような楽曲に仕上がりましたか?
 G「他人の手掛けた楽曲を歌うのは難しいよね。いつもは自分が作って自分が歌うからさ。どういう風に歌うかっていうのも考えなくちゃいけない。でも、さすがだなって思った。最初に上がってきたもので気になるところがあって、それを伝えて第2稿が出来てきたら完璧なんだよね。役の関係性にもはまってるし、僕と正大の関係にもあてはまる。全てに当てはまる様な歌詞になってるんだよ。これは、いちシンガーとしてしっかりこのメッセージを伝えなくちゃって思ったよ。歌詞の中に『you are the next』次はお前の番だ、っていう言葉が出てくるんだけど、凄く良い言葉だよね。この曲には、結城丈二から門矢士へ、僕から正大へ、先に歩くものからこれから歩いてくるものへ、もっと言えば大人から未来を歩く子供達へのメッセージが詰まってるんだ。だからといって、子供達に歌詞の意味を理解して欲しいわけじゃないんだよね。感覚的でもいいからかっこいいと思ってくれれば良い、何か感じ取ってくれれば良い。実は、一緒に聴いているその子供の親にメッセージを投げかけてるんだよ。ただ聴いていて、何も感じないような親はダメだよね。この歌を聴いて親が子供に何を伝えるかが重要なんだよ。自分に誇りを持てないような大人は子供に何も伝えられないでしょ?先を歩いてる自分が誇れるような背中を子供にみせているかどうか。そんな親達に対して“お前はどうなんだ?”って想いがつまってるんだよね。」
 
 
―今年GACKTさんもソロ活動「10年」を迎え、アーティスト表記も「Gackt」から「GACKT」に変わりましたが、そこに込めた想いなどを教えてください。
G「謙虚だった小文字からイケイケな大文字に(笑)これからは本当に自分がやりたい事をやろうって。今までの10年はやりたい事を出来るようになるために色んな事をしてきたんだけど、ミュージシャンという枠を超えて“表現者”という言葉を手に入れるための10年だったって言えるのかな。例えば、ロックミュージシャンとか役者とか一つの肩書きではなくて、いち表現者としてやっていく土台を築いたっていうのかな。ライブを見に来てくれれば良く分かると思うけど、ただのロックアーティストのステージじゃないから。ステージングも演出も、全てが他ではやっていないようなことを表現してる。同じ様なものを作ろうとしても絶対無理だよね。僕にしか出来ないから。これからの10年は“表現者”として足跡を残していくつもり。」 
今まで様々なことを乗り越え、新たな10年を踏み切ったGACKT。そんな彼に今の音楽業界についての想いを聞いてみた。また“これから歩いてくる者”であるアーティストの卵たちへのアドバイスをもらった。
 
 
―GACKTさんが過ごしてきた10年、その間の音楽業界をどのようにご覧になってましたか。
G「この10年間で音楽業界は本当に衰退しちゃったよね。ここまで衰退した理由は、日本がプロデューサー時代に入って、タレントを生産していく時代になった事が大きな原因だと僕は思う。普通は、音楽をやりたい人がインディーズで集まって、時間をかけて頑張って大きくなっていくものなんだよ。そうやって土壌が広がっていって、その上にプロがいて頂点を作って、って言う風に積み上がっていくものだと思うんだけど、13年位前から「生産方式」に変わっちゃったんだよね。既にある土壌の中で色んなものを大量に作っていくっていう風にさ。農業でもそうだけど、限られた土壌の中でそんな事をしたら、土壌がダメになるのは目に見えているよね。そうやって利益と効率を追い求める事でどんどん音楽がダメになって音楽ファンが離れていってしまった。それにネットとか携帯電話とかがどんどん発達したことも後押しして、音楽が軽く扱われていく様になっていったよね。だから音楽をやる人や音楽を愛する人が減っていったと思うんだ。今は全盛期に比べて規模がだいぶ小さくなってるんじゃないかな?効率が求められて本当の力が育たない、もうボロボロな状態だよね。音楽だけじゃなくて他の芸術も同じだと思うんだけど、時間はかかるかもしれないけど、下積みがあって徐々に大きくなっていく。下積みをして基礎をしっかり作らないと芸術はなりたたないよね。今インディーズで頑張ってる人たちが10年後を作っていくんだよ。」
 
 
―そんなふうに、これからデビューを目指して頑張っている様な若い歌い手やアーティストに、アドバイスを頂きたいのですが。まず、体調管理等どのようにケアしていらっしゃいますか?
 「まず、喉の状態を保つには加湿が絶対に必要だね。乾燥すると喉を痛めるし、風邪は大敵だからね。ツアーとかで喉を壊しちゃうのは、絶対に加湿が足りないから。そこだけ気をつけていれば大半は乗り切れるんじゃないかな?是非、今日から実行してほしいね。」
 
 
―その他に必要なトレーニングとかはやっていらっしゃいますか?
G「色々なトレーニングをしているけど、まずは声を出す為の筋力を鍛える事が大切かな。全身の筋肉のバランスはもちろんだけど、特に上半身の筋肉をしっかり鍛えることが重要。野球で例えると、素振りをしているだけで打てるようになるわけがないでしょ?球を飛ばすための筋力をつけないといくら素振りをしたって駄目だよね。バットに当てることやピッチが取れる事ももちろん大事なんだけど、声を出す為の筋力は絶対に必要。僕は普段からきちんとトレーニングをつんでいるから連日のツアーでどんなに叫ぼうが張り上げようが、次の日には復活してるよ。声を届ける為にはその周りの筋力が必要ってこと。
若い女の子の歌手でダメになっちゃうのはそこが原因だと僕は思う。筋力が足りないから短期間で体がついていけずに壊れてしまう。
以前から僕は結構そういう筋トレとかやっていて健康オタクみたいなイメージがあるみたいなんだけど、あくまでも表現者である為にやるべきことをやってるだけなんだよね。ロックなんかは特に形で見られる事が多いよね、酒だタバコだ女だって。でも、僕は形だけっていうのは嫌い。やるべき事をやってからやりたい事をやる。以前は凄いヘビースモーカーだったし、今でもお酒はガンガン飲むし、夜遊びだってしたいしね。悪い事をやるために良い事をたくさんして、プラスマイナスゼロにしてるだけ。」
確固たる信念をもち、新たなる“表現者”として生まれ変わったGACKT。バンド時代、ソロ活動の10年、様々な姿を見せてきたGACKTだが、これからの10年が本当の姿と言えるのかもしれない。是非今後の活動に注目して欲しい。